意匠登録を受けるためには、特許庁の審査で登録要件を満たしていると判断される必要があります。内容によっては出願しても意匠登録されない場合も当然あります。以下に、主な登録要件をピックアップして説明します。
物品の部分についても、その形状のデザイン、その形状と模様が結合したデザイン、その形状と色彩が結合したデザイン、その形状と模様と色彩が結合したデザインは、意匠として認められます(これらを「部分意匠」といいます)。部分意匠として登録を受けると、物品全体のデザインとしては非類似であってもその部分が模倣されていれば意匠権の効力を及ぼすことができます。
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(電気掃除機) |
(建物用扉の把手) |
(ティーシャツ) |
※図は特許庁ホームページからの抜粋です。
以下のデザインは、意匠として認められません(意匠登録できません)。
「物品」と認められない物に関するデザインは、意匠として認められません。例えば・・・
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無体物(ネオンサイン、打ち上げられた花火等)
※但し、「ネオンの管」や「花火玉」は有体物なので、「物品」に含まれます
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不動産(建築物等)
※但し、「門」や「組立てバンガロー」等は販売時に動産として扱われるので「物品」に含まれます
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固体以外(電気、光、熱、液体、気体等)
※但し、「あめ細工」や「アイスクリーム」等は固体の状態で取引されるので「物品」に含まれます
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肉眼で見えないもの(粉状物、粒状物の一単位等)
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(氷 意匠登録第1141711号) |
「物品」から離れたデザインは、意匠として認められません。例えば・・・
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タイプフェイス、アイコン、CG、ロゴマーク等
※但し、携帯電話や腕時計等の液晶画面のデザインは、一定の要件を満たせば意匠として認められます。
尚、平成18年改正意匠法では、物品の機能を発揮できる状態にするための操作に用いられる画像が新たに意匠として認められました。
「物品」自体のデザインでないものは、意匠として認められません。例えば・・・
- 靴紐の結び目、ネクタイの結び目等
- サービス意匠(ハンカチを花の形にして包装する等)
外部から見えないものは、意匠として認められません。例えば・・・
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機械の内部構造
※但し、冷蔵庫やピアノの内部は通常の状態で見ることができるので、これには該当しません