意匠HOME意匠登録の要件その意匠は容易に創作できませんか?

意匠登録の要件

それは意匠ですか? その意匠は工業的に量産できますか? その意匠は今までにない新しいものですか?
その意匠は既に出願されていませんか? その意匠は容易に創作できませんか? その意匠は公益上適切ですか?

その意匠は容易に創作できませんか? 〜 創作非容易性があること

 新規性がある意匠でも、世の中に存在するデザイン(公知のデザイン)から容易に創作できるものは登録を受けることができません。
 意匠権は、自分だけが意匠を独占的に実施でき、他人の実施を排除できる強い権利なので、創作性の程度が低いものにまで意匠権を付与すると社会全体にとって利益になりません。そればかりか、他人がそのような意匠を容易に考えついたときに実施できないことになり、却って公益に反します。
 例えば、以下のような意匠は創作容易とされ、登録を受けることはできません。

  1. 公知の意匠の構成要素の一部を当業者にとってありふれた手法で他の公知の意匠に置き換えたもの(置換の意匠)
    (公知意匠:柵)
    (公知意匠:柵用装飾板)
    (出願意匠:道路用柵)

    (公知模様)
    (公知意匠:電子計算機)
     
    (出願意匠:電子計算機) 
    模様の施し方のありふれた手法の例

  2. 複数の公知の意匠を当業者にとってありふれた手法で寄せ集めたにすぎないもの(寄せ集めの意匠)
    (公知意匠:スピーカーボックス)
    (公知意匠:スピーカー)
     
    (出願意匠:スピーカーボックス)

    (公知意匠:自動車ホイールカバー)
    (公知意匠:時計)
     
    (出願意匠:時計)

  3. 公知の意匠の構成要素の配置を当業者にとってありふれた手法で変更したにすぎないもの(配置の変更による意匠)
    (公知意匠:イコライザー付増幅器)
     
    (出願意匠:イコライザー付増幅器)

  4. 公知の意匠の全部又は一部の構成比率、公知の意匠の繰り返し連続する構成要素の単位の数を、当業者にとってありふれた手法で変更したにすぎないもの
    (公知意匠:コンクリート製排水側溝)
     
    (出願意匠:側溝用ブロック)

    (公知意匠:回転警告灯)
     
    (出願意匠:回転警告灯)

  5. 公知のデザインをほとんどそのまま表したにすぎない意匠
    (公知形状)
     
    (出願意匠:レーザー照射機用先端部)

  6. 自然物、公知の著作物及び建造物の全部又は一部の形状、模様等をほとんどそのまま表したにすぎない意匠
    (出願意匠:ペーパーウェイト)

  7. 非類似の物品の間に当業者にとって転用の商慣行がある場合において、転用された意匠
    (公知意匠:卓上電気計算機)
     
    (出願意匠:チョコレート)

    (公知意匠:自動二輪)
     
    (出願意匠:オートバイおもちゃ)

    図は特許庁ホームページからの抜粋です。

※新規性喪失の例外

 意匠は物品の美的外観に関する創作であり公知になりやすく、新規性や創作非容易性の規定を厳格に適用すると、具体性に欠け出願人に酷に過ぎる場合を生じます。したがって、出願前に公知になった意匠でも、出願意匠の「新規性」及び「創作非容易性」を判断する際の公知意匠とはみなさない「新規性喪失の例外」を認めています。

 例えば、意匠の売れ行きを打診するために先行販売・展示・カタログ頒布等を行ったり、刊行物やインターネット等で発表した場合に、これらの行為を行った日から6ヶ月以内に出願し、証明書面提出等の一定の手続を行えば、「新規性喪失の例外」の適用を受けることができます(なお、秘密にしようと思ったのに、詐欺や脅迫等で意に反して上記の行為が行われた場合も、適用を受けることができます)。

 但し、出願意匠の「新規性」及び「創作非容易性」を判断する際の公知意匠とはみなされないのは、あくまで自ら公知にした意匠に限られます。つまり、自分の出願より前に他人が公知にした意匠があれば、その意匠によって「新規性」や「創作非容易性」がないと判断される可能性が残ります。したがって、発表等をした日から6ヶ月以内であっても、できるだけ早目に出願することをお勧めします。

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